大分県豊後高田市といえば、「昭和の町」をはじめ世界農業遺産「田染荘」、日本の夕陽100選に選ばれた「真玉海岸」、国宝「富貴寺大堂」、アートと花の岬「長崎鼻」そして温泉もあります。
また、国の重要文化財に指定されている「熊野摩崖仏」、そして周防灘を一望できる海岸線「恋叶ロード」と見どころが沢山ある街です。
私も会社勤めをしていたころ、この豊後高田市はよく訪れていました。
もちろん観光とは無縁なので、この町の山手側に位置する工業団地に行ってましたが、その途中でいつも「昭和の町」の横を抜けて行きながら、”一度は自由気ままな旅で来てみたい”と思っていました。
豊後高田市を抜け、国東市にも仕事で行ってましたが、国道213号線から見る周防灘の夕陽は素晴らしく、”九州の東側でこんなに素晴らしい夕陽がみれるのか”、と感動してましたね。
今回は時間制限もあったのですが、国東半島を一周することはできず、豊後高田市の中心に位置する「昭和の町」を訪れました。
昭和の町、豊後高田市のアクセスと駐車場
国道10号線から213号線に入ると5分ほどで豊後高田市へと入って行きます。看板は大小含めていくつも出ていますが、正直、どこの駐車場に止めていいかがわかりずらいというのが本音ですね。
一番ベストなルートは、右手にセブンイレブンがあり、そこから100mぐらい走り新地交差点を右折、県道29号に入り400mくらい走ると右手に高田中央病院がある変則5差路を左折、そして200mぐらい走ると右手に妙寿寺という大きなお寺があり、そこを左折し100m走ると左手に昭和の町中核施設である「昭和ロマン蔵」があります。
標識どうり行くと、狭い商店街を通るようになっているので、あまりおすすめできませんね。
右手がコイン式の駐車場になっているので、ここへの駐車がベストです。
町の中にも駐車場はいくつかはありますが、場所的に中途半端で、位置的にもよく把握できないため、ここへの駐車がベストでしょう。
「昭和ロマン蔵」前の駐車料金は乗用車400円、中型バス(車両)1000円、大型バス(車両)1500円となっており駐車台数は約80台前後です。
昭和の町「昭和ロマン蔵」、料金と施設
駐車場に車を止めて道路を渡ると「昭和ロマン蔵」の入り口があります。
昭和ロマン蔵の入口にインフォメーションがあり、豊後高田市のマップを自由に取れるようになっています。
それからさらに進むと右手に発券所があり、ここにも昭和の町のマップが自由に取れるようになっています。
料金は提示されていますが、有料エリアと無料エリアに分かれており、基本的には入場するだけだったら何度でも無料で入場できます。
●昭和ロマン蔵、有料施設料金表
【2館共通券】駄菓子屋の夢博物館・昭和の夢町三丁目館
大人 640円 小中高生 450円 団体料金(20名以上) 大人 520円 小中高生 370円【3館共通券】駄菓子屋の夢博物館・昭和の夢町三丁目館・チームラボギャラリー昭和の町
大人 850円 小中高生 600円 団体料金(20名以上) 大人680円 小中高生 480円
さて、無料で入り、無料施設と外観だけでも見学もできますが、正直、それでは観光に来た意味が半減してしまいます。
家族連れで子供がいるのであれば「3館共通券」がおすすめですね。理由としては、「チームラボギャラリー昭和の町」は、いま流行りのデジタルアートの世界です。
自分の描いたキャラクターがスクリーンに映し出されて、動いてくれるので子供やアートに興味がある方はオススメの有料施設ですね。後ほど詳しく説明します。
また、デジタルアートに興味がない方だったら「2館共通券」だけでも十分に楽しめるでしょう。
駄菓子屋の夢博物館
発券所を過ぎてまず最初にあるのが「駄菓子屋の夢博物館」です。
私もそうですが、50代より上の方は、入り口を入ると懐かしい駄菓子屋風景に、幼いころの記憶がよみがえってくるのではないかと思います。
駄菓子屋の受付で発券を見せて博物館の方へ入って行きますが、今回は「歴史的感動の記憶展」と題して1964年に開催された「東京オリンピック」を取り上げて、当時の映像や選手団の服装、またメダル等のオリンピックに関連した展示物が所狭しと並べられていました。
2019年に放映されたNHK大河ドラマ「いだてん」がありましたよね。
個人的ですが私はこの物語が大好きで欠かさず見ていました。
東京オリンピックの記憶はまったくありませんが、近代日本の歩みを知るうえで、欠かせない大きな出来事だと認識し、敗戦国日本でオリンピックを行うまでが、どれだけ大変だったかを知りました。
また、このおかげで日本は高度成長期の波に一気にのり、世界第二の経済大国にのし上がったわけですね。
少し話がそれてしまいましたが、今年は2020年東京オリンピックが開催される予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で延期となってしまいました。
残念ですが、2021年には開催される方向で動いているようなので、何とか開催にこぎつけていただきたいと思います。
さて、東京オリンピックの展示場の奥が、常設の博物館になっています。
入り口を入ると昭和の面影が一気に蘇ってきますね。
ブリキのおもちゃ、当時どうしても手に入らなかったフィギュア、また置物や掲示物、幼いころの夢見たおもちゃがここに来ればすべてあります。なにか嬉しくなってきますね。
一番奥に行くと、昭和の時代に活躍したスターたちのレコードが所狭しと並べられています。この時代に青春の日々を過ごされた方は、このレコードを見ただけで感動ですよ。
全般的におもちゃ関係の展示物が多いのですが、生活用品や電化製品も置いているので、昭和の面影をしのぶには十分でしょう。
2階は回廊風になっていて、階段を上ると昭和時代の看板やポスターが壁一面に飾られており、当時を思い出させてくれます。
やはり「昭和ロマン蔵」の中で、ここがメインとなる施設なので、有料施設にはなりますが、是非見ていただきたいと思います。
チームラボギャラリー昭和の町
さて、「駄菓子屋の夢博物館」を出て建屋沿いに奥へと進むと、「チームラボギャラリー昭和の町」があります。
入口付近には壊れたバイクや3輪とトラックが置かれていましたが、あえてこのように置かれているのか、それともかたずけられないのかはわかりませんが、もう少し整理して展示してほしいと感じます。
この施設がどようなことをするのか、よくわからないまま中へ入って行きます。
案内の方が一人常駐していて、この施設の説明を詳しく教えていただきました。
デジタルアートの世界ですね。
ここで絵を描き、自分の絵描いた人物がスクリーンに映し出されて、それをタッチすると挨拶したり、行動を起こしたりと、デジタルアートや絵心がある方にとっては楽しい施設だと思いますね。
また、家族連れなどで子どもに絵をかかせて、スクリーンに映し出される自分のキャラクターをタッチしたりして楽しむ方も多いそうで、意外と大人もはまるかもしれません。
残念ながら私は絵心がまったくないので、説明を聞いて写真を撮らせていただき、この施設を後にしましたが、これから先、昭和の町を盛り上げていくことを考えると、この施設も今後大きな役割を背負っていくのではないかと思います。
実際には昭和の町との関連は一見ないように思えますが、施設全体を維持していく上で、過去の記憶だけではけっして長年維持できるものではありません。
やはり、こういった未来的な思考も絶対に必要になってきますし、若い人の知恵と力で今後の昭和の町の発展を考えて行ってもらいたいと願います。
歴代の名車たち
さて、デジタルアートの世界を後にし外へ出ると、昭和ロマン蔵を紹介する上で欠かせないもの、当時私もあこがれていた車がづらりと並べられています。
いや~よく残っていましたよね。
クラウン・グロリア・117クーペ・スカイライン・コロナ・ダットサン・N360等々、昭和に活躍した車たちが勢ぞろいしています。
特に、117クーペは当時本当に欲しかった車ですね。友達が所有していたので、よくドライブついでに乗らせてもらってました。
それから、この蔵ですが、当時本当に使われていた肥料倉庫だったそうですね。
その蔵の前に懐かしい車が並べられていて、休憩するベンチも多くあり、ゆっくりと周りの景色や車を楽しむことができます。
超小型モビリティ、電気自動車レンタカー
歴代の名車たちの対面に置かれているのは二人乗りの電気自動車で、よくコンビニの商品配達に使われている車両ですね。これはおもしろい企画です。
入口付近にある発券所に申し出ると、無料で貸し出してくれます。
曜日によってのコース制限、時間制限があるので、利用規約を理解したうえで乗ってくださいね。
私も一度北九州でこの車に乗ったことがありますが、少しハンドルに癖があります。時間が経てばすぐになれるとは思いますが、通常の自動車とは違い、アクセル感覚も異なるため、出足は注意が必要ですね。
まあ、二人乗りですが、後ろは正直狭いし、長時間は乗れないと思います。
ただ、車両が小さいので狭い場所でも入って行けるし、市内や恋叶ロード内の観光施設にはこのレンタカーの専用駐車スペースが設けられているので、これに乗って豊後高田を観光するのもおもしろいですよね。
昭和夢町三丁目館
車が並べられている蔵の中央あたりに入口がある「昭和夢町三丁目館」、入口を入るとスバル360が通路のど真ん中に鎮座しています。
入口を入りすぐ右側の奥に入って行くと昭和の時代の懐かしい風景や当時の家の中の情景が再現されています。
やはりなつかしさはありますよね。こういった風景はいまはもう見られません。昔、よく公園の片隅に水道管が置かれていました。
この中で友達と日が暮れるまで遊んでいたことを思い出しますよ。
私が小学校2年ぐらいだったと思うのですが、家に初めて白黒のテレビがきました。当時は感動的でよく「ウルトラQ」を見ていたことを思い出します。
円形のちゃぶ台も懐かしいですよね。当時家にありました。
「巨人の星」なのでちゃぶ台をひっくり返すシーンがありますが、私のオヤジも酒に酔って何度がこのちゃぶ台をひっくり返したことを覚えています。(笑)
施設的はそんなに広くはありません。これを見て進んでいくと元の入口付近に戻ってきます。おみやげ屋さんも併設されているのでゆっくり見学されてください。
昭和夢町三丁目館を出て右側に行くと、蔵の一番端になりますが、もうひとつ入口があります。ここを入ると当時の学校の教室が再現されています。
木製の机が懐かしいですよね。私も小学校の低学年まではこの机を使っていました。古きよき時代の面影ですよね。ここは無料で見ることができますよ。
昭和ロマン号、ボンネットバスで市内を周遊!
さて、昭和ロマン蔵最後になりますが、「鼻付きバス」ですね。
この施設の入口にも写真付きでレストアする工程が掲示されていますが、今はもう路線では見ることはできないバスで、60年以上経っているバスですよ。
外観をはじめ車内もみごとにレストアされて蘇っています。開館中はドアは空いているので、社内も見学することができますよ。
このバスに乗って市内観光もできます。毎日運行しているわけではないのですが、この日も運行予定がありませんでした。
昭和の面影を残す商店街とグルメ
さて、「昭和ロマン蔵」を後にして、街並みへと歩いてゆきますね。
国東半島の玄関口として栄えた旧高田町の中心街、それが現在の豊後高田市の昭和の町となるのですが、江戸時代中期から昭和の30年代までは、大きく栄えた町でした。
しかしながら、それ以降は人口の減少に伴い、また、時代の波に流されて過疎化が進んでいきます。行政の考え方しだいでしょうが、経済基盤は農業・林業・漁業を中心に行われていました。
実際には市政施行のもと、周辺の町と統合され昭和29年に豊後高田市が誕生していますが、最終的には平成の大合併で平成17年、新市政施行のもと現在の大きさの豊後高田市が誕生しています。
やはり、大きな産業を持たない地域だけに、時代の流れの中で取り残されていった町ですが、その活気を取り戻そうと、そして取り残された昭和の残照をそのまま観光資源として活用したのが「昭和の町」ということですね。
昭和ロマン蔵の裏口(鼻付きバスが駐車している場所)からすぐ商店街へと入って行くと、右側に大衆食堂「大寅屋」があります。
このお店は今までに2度食べに来ていますが、古くから有名なお店ですね。値段も昭和50年代からまったく値上げしていないということです。
何といっても「ちゃんぽん」が有名です。今はやりの特別な具材が入ったちゃんぽんではなく、麺は少し太麺でもちもちしていて、もやし多めのノーマルな具材で特別なものは何も入っていません。
値段は500円、器もそうですが、当時のままに出されているのですごい懐かしい味が漂ってきます。
スープはうまいですね。その他にもカレーライス、焼きめし、本当に懐かしさを感じる味です。
すべてが昭和のままというべき食堂だと感じました。昭和の町に来た際は、是非ご賞味くださいね。オススメですよ。
そこから進んでいくと、「食べログ」や「Retty」、そして「ホットペッパー」などの食の口コミサイトでも有名になっている「カフェ&バー ブルヴァール」、があります。
あげパンも有名ですが、学校給食をテーマにした定食が話題を呼んでいます。
食器にもこだわっていて、あげパンはもちろんのこと、ビン牛乳やナポリタンなどメニューだけでも15種類以上ありますね。
もちろん、カフェの普通のメニューもあるので安心です。そして意外とおいしいあげパン、見てのとおり外はサクサク、中はしっとりで少し甘さもあります。
コーヒーもうまかったですね、ただね少しお値段が張ります。定食系は1000円~1500円ですから決して安いとは言えません。
こういった雰囲気を味わいたいという方ならば納得できるかもしれませんね。よかったらどうぞ。
さらにぶらりぶらりと商店街を歩いてゆくと、昭和を思わせるようなお店がいくつかでてきます。
雑貨屋を兼ねた駄菓子屋さんもあり、中を覗いて見ると昭和の懐かしい雑貨品や駄菓子が並べられています。
また、こういった煉瓦造りの古い建物も残されており、有形文化財として保護されています。
お店の方も言っていましたけど、一時期この豊後高田も過疎化が激しく進んだ時期があったそうです。
現在はどうかというと、それでも昭和30年から40年にかけての活気が戻ってきているかと言えばそうではないといっています。
商店街も高齢化が進み、昔からあった店が後継ぎもいないため閉店しているのが現状だといいます。
郊外には大手のスーパーやディスカウントストアなどができて、日常的にはそんなにお客さんはこないとも言っていました。
「昭和の町」を売りに、観光収益を目指す豊後高田市にとっても、頭が痛いところだとおもいますね。
魅せることはできても、維持することができなければ、観光は成り立ちません。
模範となる町や村はいくつも存在します。それを徹底的に学ぶのもひとつの手段と思いますね。
まとめ、昭和の町、豊後高田市のアクセスと料金、オススメのランチ
今回は駅通り商店街、新町通り商店街をゆっくり見て回りました。往復で約2キロぐらいだと思います。
平日ということもあり、残念ながら活気のある商店街を見ることはできませんでした。
平日はそんなに客足も多くないとのこと、どこの観光地でもそうですが、平日にいかに多く観光客を呼び込めるか、が最大のカギとなっているのは確かですね。
コロナ禍の中、今はまだ我慢の時期かなとも思いますが、豊後高田市の「昭和の町」も観光としてはまだ発展途上にあるのかな、と感じました。
ただ、それに向けて少しずつ努力している姿が伺えます。
「昭和の町」をもっと大きくアピールするのであれば、さらに徹底した昭和づくりをやっていただければ、集客の足も増えてくるのではと思います。
最後に豊後高田市公式ホームページから昭和の町の観光PR動画を載せておきます。
月光仮面ではなく、昭和仮面が昭和の町を紹介してくれますね。
ちょっと面白い動画です。
よかったらご覧ください。タイトルは「昭和仮面と昭和の町を散策」です。
また、ご機会があればお寄りいただければ幸いです。今日は最後までお読みいただきありがとうございました。
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